エロノベル脳ジェネレーション

TL小説ばっかり読んでるママです

現代ものTL小説を読むと人権意識が高まる

 

「みんな~げんき~?」今日もEテレのおかあさんといっしょを見ながらTL小説を読んでいる。
 中世ヨーロッパものや時代劇など色んなジャンルのいかがわしい作品が出ているが、現代ものはあまり読まない。とはいえ幾つか読んでるから1冊ご紹介したい。
内容はまたもご無体働く系である。ヒロインがエロいことされて人権を侵害されちゃうやつです。 

淫獣愛: 私の心を奪った男 (オパール文庫 ブラックオパール)

淫獣愛: 私の心を奪った男 (オパール文庫 ブラックオパール)

 
 あらすじ

 紫月ちゃんはバーで会った梶川さんに昏睡強姦される。更には裸の写真を撮られそれをネタに肉体関係を持つよう強請られる。もちろん警察に相談するけど「これだと公判維持できないな~」などと言われて被害届が出せない現実でもよくあるやつ。梶川さんが上手に脅すから証拠も集まらないしどんどん追い詰められていく紫月ちゃん。ついには脅しに屈してしまう!かわいそう!!というお話。

 前半は、犯罪小説を読むような面白さがある。精神的に追い詰められていく紫月ちゃんを見るのが楽しい。その楽しみは三分の一を読み進めた所で早くも終わる。紫月ちゃんが意識のある状態で梶川さんと同衾。作品は一転して甘々恋愛小説へと変わってしまうのだ。金の匂いと高級な食い物で懐柔される紫月ちゃん。すっかり梶川さんに気を許してしまう。えっ…。ちょっと待って。紫月ちゃんしっかりして!そいつ犯罪者だから!しかも梶川さん謝らない。彼は犯罪行為を一度も謝ることなく物語はハッピーエンド。許せない。紫月ちゃんが許してもママは許さない。以下長い話。 

暴行を許すために必要なこと

 ヒロインに暴行を働く男性キャラクターはTL小説に腐るほどいる。鬼の所業のような行為を(読者が)許せるかどうかは、2点の描写に懸かっている。
暴行に至る動機ヒロインに対する贖罪だ。

暴行に至る動機

 最近確立した理論を言わせてほしい。暴行に至る動機は3パターンがある。
勘違いか、好き過ぎてか、特殊な境遇で性格が歪んでるからの3つだ。どの小説も、この3つのいずれか(または複数)が当てはまる。TL小説の男性キャラは勘違いで婦女暴行しがち、怖い~。
この作品の梶川さんの場合はどうだろうか。梶川さんは紫月ちゃんを2~3度見かけて「いいな!」と思って暴行に至り、最中に「好きだな!」と感じて脅迫に至る。やばいやつだ。梶川さんは絶対に性格が歪んでいる。そう確信して読み進めても、梶川さんの性格悪いエピソードが出てこない。不器用で誠実な男だというエピソードばかりだ。あれ??どうやら梶川さんの性格は(犯罪行為をするぐらいには歪んでいるが)そこまで歪んでないらしい。というと暴行に至った動機は、好き過ぎて説が濃厚になってくる。消去法で。えっ??私の理論が破綻してた??
実は作中、暴行に至る梶川さんの心理描写がちゃんとある。一線を越える犯罪者の気持ちってこんな感じなのかな!というリアルで読み応えあるシーンだ。そこを何度読んでも梶川さんは紫月ちゃんを「いいな!」と思って婦女暴行している。実際そんな軽い動機で犯罪しちゃうものかもしれない…。でもそれだと後半強調される梶川さん誠実エピソードと矛盾しませんか。あっ…人間は矛盾を抱えた生き物だってサマセットモームも言ってたからね。そういうものだよね…。

現代ものは脱法行為のハードルが上がる

 もし舞台設定が中世ヨーロッパやファンタジーであれば、犯罪描写があっても「この時代では犯罪じゃないかもしれない」とも思う。人権という概念は近代のものだから、男性キャラクターがヒロインの人権を侵害しても「最近の概念だし仕方ないよね…」と思えなくもない。
でも梶川さんは現代日本に生きている。同じ法律や歴史を共有してるはずだ。なのに軽~い動機で女性の人権を侵害している。日本には女性が並々ならぬ努力で人権を主張してきた歴史を知っているはずなのに、そんなことするなんてひどいやつだ!となってしまう。

ヒロインに対する贖罪

 梶川さんは一度も紫月ちゃんに謝らないが、贖罪行為めいたことはしている。紫月ちゃんが会いたがっていた肉親を探して再会させてあげるのだ。梶川さんえら~い。でもそれってインターネッツが存在する現代において大した労力なんでしょうか。「OK Google」で探したんじゃないの。TL小説の男性キャラってヒロインのために人殺しや国家転覆なんかをよくやる。梶川さんがやったのは人探しだ。犯罪被害を黙っているという紫月ちゃんの犠牲に対して梶川さんの払う労力ちょっと小さくない??という疑念が拭えない。せめてちゃんと謝ろう。


 そういう訳で一読者たる私は梶川さんを許せなかった。暴行に至る動機とヒロインに対する贖罪がいまいち足りない。
 この記事だけ読むと梶川さん最低クソ野郎に思えますが、小説を読むとあら不思議ちょっといい男風に見えてくる。イケメンエリートサラリーマン様だし。でも絶対に許しませんよ!あれ?佐木ささめ先生の新刊がたくさん出てる!あれ?いやいや買わないよ!試し読みだけ!

 

もう君以外は愛せない 悩める御曹司の目覚めた獣欲 (オパール文庫)

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