エロノベル脳ジェネレーション

TL小説ばっかり読んでるママです

TL小説のヒロインは必ず表紙の男性と結ばれる呪縛

 玄人筋の方々にしてみれば常識だが、私は最近まで気づかなかった。TL小説のヒロインは必ず表紙の男性と結ばれる。そうと知らずに、当て馬がぐいぐい来れば「乗りかえあるかも!」とハラハラし、親友がぐいぐい来れば「百合展開あるかも!」とドキドキしていた。なんて初心なのか。気づいたのはこの作品を読んでから。

双子皇子の愛玩 乙女は後宮の調教にあえぐ (シフォン文庫)

双子皇子の愛玩 乙女は後宮の調教にあえぐ (シフォン文庫)

 

  主人公のソハイラちゃんは、逃亡した父親の罪のために奴隷にされ、幼なじみの双子の慰み者になる。子供の頃とっても優しかった双子は、人が変わったようにソハイラちゃんをいじめまくる、かわいそう…!という話。

 この小説の特徴はヒロインが男性キャラクターをどんどん嫌いになるところだろう。ソハイラちゃんは悪くないのに、双子から壮絶な扱いを受ける。具体的にいうと、病み上がりの状態で乱痴気パーティーの見世物にされ人前でエロいことを強制される。PTSD発症して精神科通い必須のトラウマ経験だ。こんなことされれば、何があっても双子を好きになることはない。そう思った。

 乱痴気パーティーの後、弟が態度を変える。ソハイラちゃんに謝って愛を告白。ソハイラちゃんは弟を許す。ま、まあそんなこともあるかもしれない…。それから色々あって父親の潔白が分かり、兄ともいい感じになる、双子の両方と結婚してハッピーエンド。えっ!?あんなひどいことされたのに!?

 ひどい行為については双子の本意ではなかったと説明される。魑魅魍魎が跋扈する宮廷を生き抜くために仕方のないことだったのだ。しょうがないよね…。いや、でも両方とくっつくのはいくら何でもあり得なくない??

 作者あまおう紅氏のあとがきによれば、結末は既に決めたうえで書いていて、TL小説は「夢いっぱいのファンタジー」なのだそう。この手の小説に「あり得ない」と言うのは野暮。女性の欲望に忠実で男性の意志を無視したあり得ない結末こそTL小説の本懐といえる。

 そもそも一般の有名な恋愛小説には悲恋が多い気がする。紆余曲折あっての悲劇ばかり読ませられ消耗した女性たちが読むのが、TL小説。表紙は「時代は何か」「純愛か複数愛か」「誰と誰がくっつくか」という情報がタイトルとともに一目瞭然となるよう設計されている。とてもスマートな機能。

 「誰とくっつくのかな~?」「百合かな~?」と心躍らせる余地は実はなかった!表紙を見ればすべて分かることだった!そういうわけで、未読だか下記の作品もきっと全員と結ばれて終わる。3人…嘘でしょ…。

ハーレムナイト 熱砂の王子は花嫁の虜囚 (ティアラ文庫)

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