エロノベル脳ジェネレーション

TL小説ばっかり読んでるママです

モーパッサンが小学校の図書室にあって興奮する

 

「女の一生」という小説がある。ふわふわ生きてるセレブ女子がセックス依存症のクズ旦那に苦しめられて人生を転落していく話。 

 

女の一生 (光文社古典新訳文庫)

女の一生 (光文社古典新訳文庫)

 

↑旦那のクズぶりが楽しい。

 

 私が初めてこの小説を読んだのは家の書庫で、小学校5年生の時だ。衝撃的だったのは、主人公の初夜のシーン。今までよく知らなかった、男女がベッドで行う儀式についてここには詳しく書いてある!夢中になって最後まで読んだ。何だかよく分からないが面白かった、モーパッサンすごい。

 当時、私は吹奏楽部員だった。体がでかいという理由で担当楽器はバリトンサックス、重い。本当はもっと軽くてかっこいいアルトサックスがやりたい。同じパートの先輩は華麗にアルトサックスを吹き、複雑でテンポの速い曲を吹きこなしている。羨ましいすごい。

 実は憧れの先輩は、部活の仲間とエッチなマンガの貸し借りをこっそりしていた。闇取引に使われるマンガを私に見せてくれたことがある。あとわずかで卒業という3学期、内容も過激になっていったのだろう。大人も忌避するエログロマンガであった。

 私は先輩すごいなと思っていた。やっぱり6年生にもなるとやってることが大人、あんなエログロマンガをみんなで読むなんてすごい。そんなことを思いながら退屈なパート練習(少人数でやる個人練習みたいなものです)を先輩たちと一緒に図書室でしていた。そこでふと「女の一生」を思い出した。「女の一生」って学校の図書室にないのかな?と思って探すと、果たしてあった。「阿Q正伝」「若きウェルテルの悩み」等々と一緒に「女の一生」が埃をかぶって並んでいたのだ!!えっ!?あのエロいシーンが書かれた「女の一生」が、小学校のですよ、小学校の図書室にあるんです!!

 とても興奮した。辞書でいかがわしい単語を見つける興奮に似てるがそれより何倍も知的でエロい。私は早速先輩に報告した。

「先輩、こっ…この本読んでみてください!学校の図書にも関わらずエッロいシーンが、書いてあるんですよ!どうですか!」そう言ってページを指し示す。先輩が重い腰を上げアルトサックス片手に「どれどれ」と本を覗き込む。先輩は何行か読んで渋い顔をした。「これが?」

 そこで私も該当シーンを読んでみた。主人公の「『あたしは、あなたのものですわ、あなた!』」というセリフからの「それからどのくらい時間がたちどんなことがあったか、ジャンヌにはほとんど覚えがなかった」とある。覚えててよ~!何で~!?

 どうやら学校の図書室にあったのは小学生むけにエロシーン全編カットの健全版だったのだ!初夜シーンはもちろん、おっぱいに名前つけて楽しむくだりやクズ旦那が不倫してるくだりも、ぼや~っとしか書かれていない。

 その後、家の書棚で原本を確認し「私は間違っていなかった!」となるのだが、本を学校に持ち込んで先輩にふたたび見せるような、そんな野暮ったいことはできない。アルトサックスを軽やかに演奏する先輩を、ただ眺める日々。あんな素敵な先輩に、もっと嫌われることがあれば嫌だから、仲良くなりたいと思いながらただ見てるだけ。そういう思い出。